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UPDATED:2017-02-19

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大会総評・各種報告

第95回全国高校サッカー選手権大会総評

県技術委員 大野恭平(大宮南高校)


第95回全国高校サッカー選手権大会は青森県代表青森山田高校の優勝で幕を閉じた。
 青森山田高校はプレミアリーグ東日本においてJユースクラブを抑えて優勝を勝ち取り、高円宮チャンピオンシップにおいても西日本覇者サンフレッチェ広島ユースを0-0の末PK戦で破り年間チャンピオンの座を掴んだ。いわばユース年代の王者として挑んだ大会であった。優勝した要因としては、攻守において軸となるプレーヤーがいたことが挙げられる。FC東京内定のGK廣末はFC東京の下部組織から青森山田に進学、今ではユース年代屈指のGKとして呼び声が高い選手である。特徴は何といってもキックの正確さ、キックの飛距離、足元の技術である。試合中、フィールドプレーヤーは躊躇なくGKへのバックパスを選択することからも信頼度の高さが伺えた。また、廣末からのロングフィードが起点となって得点したシーンが多かった。GKが攻撃の起点となるチーム戦術が確立していたといえるであろう。ジェフ千葉内定のMF高橋は高い技術をベースに決定力の高さを発揮し、5試合連続で得点をあげるなど、その決定力でチームの優勝に大きく貢献した。また、キャプテンでアンカーのMF住永の攻守における献身性やリーダーシップ、FW鳴海の前線でのアグレッシブなプレーも光り、チーム全体で隙がなく常に勝利することから逆算したプレーを選手全員が実行する戦術理解度の高いチームであった。
 準優勝の群馬県代表前橋育英高校はインターハイ予選では県大会1回戦で敗れるという悔しい経験から、ここまで這い上がってきたチームであった。チームの特徴は、各選手が的確なポジショニングを取り、複数のプレーヤーが関わりボールを動かしながらゴールに向かうスタイルであった。また攻守の切り替えが早く、高い位置でボールを奪い返しショートカウンターをしかけるプレーも特徴的であった。前橋育英は2年生が多く出場していたので新チームでの全国制覇に期待がかかるであろう。
 ベスト4に残った栃木県代表佐野日大高校はDF5人、MF4人で守備ブロックを形成し、堅守をベースに数少ないチャンスを生かして勝ち上がってきたチームであった。同じくベスト4に残った大阪府代表東海大仰星高校は、1-4-4-2のフォーメーションで3ラインのブロックを敷き、統率のとれた守備陣形から個々の球際の強さを生かしてボールを奪いそこからのショートカウンターでゴールに向かい得点を重ねて勝ち上がってきたチームであった。両チームとも、勝ち上がった要因としては、1試合通して守備のバランスと集中力がとぎれない点と、チャンスを確実にものにする勝負強さがあったところである。
 本県の代表である正智深谷高校は3度目の出場で全国初勝利、全国ベスト8という好成績を収めることができた。正智深谷は1-4-4-2をベースに試合に応じて選手の配置を変え、試合展開によってさまざまな戦い方をすることができるチームであった。正智深谷は1回戦で島根県代表立正大淞南高校と対戦。序盤は相手の縦に早く鋭い攻撃で劣勢に立たされ前半を0-1で折り返すが、後半正智深谷の切り札的存在のFW田島を投入すると、田島が基点となりボールを保持する時間が長くなり、試合の主導権を握り返し2-1と逆転に成功し全国初勝利を掴むことができた。2回戦は東京都代表関東第一高校と対戦。1回戦同様、ビハインドの状況で迎えた後半残りわずかな時間帯から2点を奪い逆転勝ちを収めた。この試合では前半に1人退場者を出すアクシデントがあったが、その状況からの逆転は見事であった。3回戦は長野県代表創造学園高校と対戦。相手の高さを生かした攻撃をGK戸田・CB田村を中心に確実に跳ね返し、主導権を握りながら試合を進めた。そして、守備から攻撃への素早い切り替えから見事なカウンターにより得点を挙げ勝利した。準々決勝では優勝した青森山田高校と対戦。立ち上がりは正智深谷高校の方が攻守において相手を上回っていた。しかし、自陣深い位置での相手スローインからサイドを突破され、クロスに対する守備ではボールウォッチャーになり失点。その後もチャンスは作るが得点には至らず、相手の得意のロングスローとオウンゴールにより失点を重ね敗戦となった。大会を通じて、試合を重ねるごとに成長していく正智深谷の選手に感動を覚えた人は多くいたことであろう。埼玉県代表として力強く戦ってくれた正智深谷に称賛を送りたい。
 大会全般を振り返ると、攻撃においてはポゼッションプレーとダイレクトプレーを試合展開や相手の状況に応じて使いわけるチームが多くなってきた。意図なくボールを保持するだけのボール回しや、判断なく前線にボールを蹴るだけのチームは少なくなり、攻撃の優先順位を意識しながらプレーできる選手・チームが増えてきた。守備においても、前線から積極的にボールを奪いに行く守備と、ブロックを形成して相手を追い込み奪う守備を使い分けるチームが増え、チームとしてボールを奪うためのイメージが共有されていることがうかがえた。また、デュエル(1対1の強さ)においても相手を圧倒するという気迫や倒されても連続してプレーを続けるなどタフで逞しいプレーが随所に見られた。課題としては、ダイレクトプレーに対する対応が悪く、簡単にDFラインの背後を取られて失点してしまう守備があげられる。対策として、GKとDFがコミュニケーションを取ることや攻めているときのリスク管理を徹底する必要があると考える。クロスに対する守備においても、GK・DF共にボールウォッチャーになることが多く、ボールとマークを同一視するという作業を的確におこなえていない場面があったことにより失点をしていた。ゴール前の危険なエリアを守るということに対する危機意識を日ごろの練習から植え付けていく必要がある。攻撃時においては、プレーの質に対してもっともっとこだわって欲しい。一つのトラップ・一つのパスをとってもその状況にとって最善の選択をしているかというとまだまだ改善の余地はあると思う。日常からよりこだわってもらいたい部分である。また、セットプレーではロングスローという武器を持っているチームに対して、わかっていても失点していたことから、ロングスローに対する対策が今後必要になるであろう。
 この年代は、育成の時期を終え戦うサッカーへと移行していく時期である。チーム戦術を実行しながらも、状況に応じて的確な判断のできる力を養い、自立した選手へと成長し次のカテゴリーに進んでもらいたい。そして一人でも多くの選手権を経験した選手から日本を代表する選手が育っていってもらいたい。
本県においては、全国高校総体で昌平高校がベスト4、全国高校サッカー選手権大会で正智深谷高校がベスト8と、全国大会において結果を残すことができた。来年度も引き続き全国大会で好成績を残すことができるよう、各チームにおいて今大会における成果と課題を分析し、日々トレーニングに励み、今年度の以上の結果を残すチームが現れることを期待する。

平成28年度第95回全国高校サッカー選手権大会埼玉県予選を振り返って

高体連技術委員 東京成徳大学深谷高校 為谷 洋介

「正智深谷 2年連続3度目の栄冠!!」
8月21日から11月20日にかけて、平成28年度第95回全国高校サッカー選手権大会埼玉県予選が開催された。決勝トーナメントは、埼玉県リーグ参加校26チーム、総体埼玉県予選ベスト8のチーム、1次予選を通過したチームを合わせて52校によるトーナメント方式でおこなわれ、優勝は正智深谷、準優勝は浦和南、3位に昌平と西武台という成績に終わった。この結果、正智深谷が2年連続3度目の栄冠に輝き全国大会への切符を手にした。
 優勝した正智深谷は、5試合で1失点と堅守が際立ち、相手の強みをうち消しながらも選手交代やポジションチェンジで相手の弱点を突くことができ、安定した守備をベースに主導権を握り勝ち上がったチームであった。全国的に、ここ数年の傾向から攻撃と守備の役割を分業し、リスクを冒さないサッカーを展開するチームが勝ち上がっている中、正智深谷は攻撃の優先順位を意識し、全体をコンパクトにすることで攻守の一体化を図り、相手に隙を与えない守備と一瞬の隙を突く攻撃ができるチームであった。
一方、準優勝の浦和南は、空中戦の強さと粘り強い守備をベースに、多彩なセットプレーを駆使しチーム戦術を徹底したチームであった。高さを生かした攻撃は迫力があり見る者を驚かせた。決勝戦では、1点ビハインドで迎えた後半アディショナルタイムに浦和南がロングスローから同点に追いついたシーンは周囲に感動を与えたが、PK戦の末、正智深谷の勝負強さに惜しくも敗れ幕を閉じた。
3位の昌平は、Jリーグ内定の針谷、松本を中心とした高い個人技を生かし、攻撃の優先順位を意識しながらボールを動かしゴールを狙うサッカーを展開した。チームでボールを保持する時間を増やし主導権を握ることで昌平スタイルを押し通した。準決勝では正智深谷の堅固な守備ブロックを最後まで崩せず涙を呑んだが、スタイルを崩さなかったところに矜恃(きょうじ)を感じた。同じく3位の西武台は、ボランチで主将の今井を中心に高い技術とスピード生かした攻撃を展開し、長短織り交ぜたパスで相手ゴールに迫るサッカーで勝ち上がってきた。準決勝の浦和南戦では、相手の粘り強い守備に特徴であるスピードが阻まれた。守備面において浦和南の縦に速い攻撃の対策が曖昧になり後手に回ったことが悔やまれる。
 大会全般をテクニカルな“攻守一体”の視点で見ると、ボールを中心としたポジション取りで、相手の状況を見ながら味方との距離感が良く、攻守の切り替えが速いチームが勝ち上がっていたように思う。攻撃面においては、判断無しで前線にボールを放り込む場面は少なくなり、攻撃の優先順位を意識して、人とボールに関わりながら攻撃を組み立てようとする姿勢が見られた。しかしながら、味方との距離が遠かったり、あるいは近すぎて、ビルドアップの途中で相手にボールを奪われてピンチを招くシーンがあった。
また、攻撃が早くなりすぎたり、リズムが一本調子で相手に読まれて、ボールを失うシーンや、前線にボールが渡っても孤立してしまい相手選手に囲まれてボールを奪われるシーンもあった。
 守備面においては、選手間の距離が遠くファーストディフェンダーの決定が遅くなり、チャレンジ&カバーが不徹底になり、簡単にギャップを通されてピンチになるシーンが目立った。また、自陣ゴール前においてボールウォッチャーになってしまうシーンが見られ、ラストパスの精度が高いチームや即興性のあるプレーには対応できず、簡単にゴールを奪われてしまうことが多かった。守備における正しいポジショニングはもちろんのこと、チームとしていつ、どこで、どのようにボールを奪うかを明確にしたい。また、チーム全体に間延びが生じ、攻守の切り替えが遅く、ファーストディフェンダーが曖昧になり大きなピンチを招くシーンや、ボールを奪ってもサポートの距離が遠くせっかくのチャンスをシュートまで生かせないシーンも見られた。
 全体を通して「個」のレベルアップは欠かせない。特にボールが無い時の準備、試合の流れを判断する力のレベルアップが必要であり、“見ること“を普段から習慣化する事が重要である。ゲームを観る力、プレーの中で判断する力には洞察力が含まれてくるので、トレーニングの中からゲームの全体像をイメージし、色々な状況に応じて判断する力を養いたい。 
結びに、本戦に出場する正智深谷は、試合の中で起こりうる様々な状況を考えながら、良い準備をして全国大会に臨んでほしい。

平成28年度全国高校総体(中国総体)総評

報告者 県ユースダイレクター 浦和東高校    荻野清明
県2種技術委員長   越谷総合技術高校 大森健司
                   県2種技術委員    朝霞西高校    山下暁之

平成28年7月26日~8月2日に広島県で開催された全国総体に、本県から昌平高校と聖望学園高校が出場した。両チームとも自分たちのスタイルを貫き、全国の場で確かな手ごたえを感じただろう。特に、昌平高校は、全国総体2連覇中で今回も優勝候補の東福岡高校を激闘の末3-2で破り、その後も、前橋商業高校、静岡学園高校を破り準決勝へと駒を進めた。準決勝の市立船橋高校戦は、五分の戦いを展開したが0-1で惜敗した。聖望学園高校も相手ボールにプレッシャーを掛け続け、コンパクトフィールドを形成しての攻守一体のサッカーを披露し、1回戦、徳島市立高校に4-1で勝利。2回戦の鹿島学園高校戦も終了間際まで2-1でリードしていたが、最後に失点しPK方式で敗退してしまった。しかし、1回戦同様、自分たちのスタイルを徹底し、戦術的に徹底度の高い試合を見せてくれた。
 埼玉県は、進学先の分散傾向により、県内に絶対的なチームが存在する時代ではなくなった。しかし、各チームの指導者が、普段のトレーニングの質の向上や育成強化の徹底を更に高めると同時に、状況に応じた賢い戦いを学び取っていけば、全国で戦える強いチームは作ることができると、今大会を通じて感じた。



昌平高校の戦い

1回戦 中津東高校
 中津東は、県予選とは異なりかなり守備的な布陣・戦術を敷いてきた。昌平の本間、松本、佐藤にほぼマンツーマンで更にスイーパーを置いた。そして、中盤に人数を掛けミドルサードに自由に侵入させない守備からボールを奪ってはカウンターというプラン。ボールに対しての集結も速く1対1も粘り強い。昌平は、序盤、パスのブレやボールの移動が遅く相手を動かすことができなかったが、マンツーマン対応されなかった山下が、右サイドで効果的な突破を図ったことにより相手守備にズレが生じスペースができた。攻勢に試合を進める中、32分、山下のドリブル突破からのボールを本間が決めて先制。34分にも本間が加点し、2-0で前半を折り返した。後半も、空いたサイドのスペースを攻略し3点を奪い5-0で快勝した。攻撃が印象に残る試合であったが、中盤での厳しい守備が攻守一体の素晴らしい試合となる要因となったことは見逃せない。様々な面で相手を上回った感はあるが、DFがオフザボールで横から流れてくる相手FWを掴み切れていなかったことがあり、守備の準備にやや課題が見られた。

2回戦 東福岡高校
 東福岡は、大きく速いサイドチェンジを繰り返し、高い位置を取るサイドDFとMFがサイドを力強い1対1で突破し好機を作る。その展開力に昌平は選手間の距離が離れてしまい、コレクティブな守備ができない。守勢一方の展開の中、7分に右サイドを崩され失点。その後も同じような展開が続くが、15分過ぎから前線でのプレッシャーを強め的確なスライドができるようになると、バランスの良い3ラインが保たれ意図的にボールを奪えるようになり、昌平らしいパスワークも見られるようになった。41分、右サイドでサイドDFの篠山、MF山下を経由したクロスから本間が得点し同点。その後、東福岡のほぼオールコートでのプレスとマンツーマン気味の守備に対して、小気味よいパスワークでアプローチの的を絞らせない状況を作り出せるようになると、ボール保持率は五分以上になった。後半の飲水タイム以後、更にサイドからの攻撃を徹底すると、相手守備の中央に隙ができ始めた。59分、ファーストディフェンダーの寄せが甘くなったバイタルエリアへ侵入し、最後はペナルティエリア内へのワンタッチの縦パスで抜け出た本間がファールを受けてPKを得た。これを松本が冷静に決めて逆転。昌平のサッカースタイルを象徴するシーンであった。試合の主導権を昌平が握ったまま進み、試合終了を迎えるかと思われたが、昌平は、終了間際に自陣深い位置でフリーキックを与えてしまい豪快なヘディングシュートを決められ同点とされた。PK戦はできる限り避けたい東福岡は、残されたわずかな時間も猛攻を仕掛けてきたが、昌平の選手は気丈に自分たちのリズムを保ち戦った。アディショナルタイムも終わろうかという時間、左サイドを攻め込み得たコーナーキックを針谷が右足でGKの頭上を越えて落ちるキックを直接決め劇的な勝利を収めた。針谷は1回戦の中津東戦でもコーナーキックから得点しており、彼の技術の高さを見せつけられた。体格、フィジカルの強さ、大きな展開力を作り出すキックの技術などに勝る東福岡の攻守に耐える展開から自分たちのスタイルへの活路を見出し勝ち取ったこの試合は、間違いなく昌平の今後の成長材料となったであろう。

3回戦 前橋商業高校
 守備的なゲームプランの前商に対して、なかなか相手守備陣形に入り込めない展開であった。立ち上がりから前商のブロックの外でゆっくりポゼッションし、時折ロングフォワードパスで裏を取ろうとするが、スペースが少なく突き切れない。強固なブロックに真っ向から入り込もうとすると、前商の厳しいプレスに捕まりボールを奪われカウンターを受けてしまう。前商のプラン通りの試合展開の中、29分集中を欠いた守備ラインをワンタッチのパスで破られ失点をしてしまった。その後もやり方を変えることなく前半が終了。後半、メンバーとポジションを変更し活路を見出そうとする。これにより、前半よりも流動性が見られるものの最後のところで堅い守備に阻まれることの繰り返し。しかし、前半とは明らかに異なる昌平の揺さ振りに消耗させられた前商守備陣に疲労が見られ、終盤に昌平らしいテンポの良いショートパスからの崩しが出るようになった。万事休すかと思われたアディッショナルタイム、バイタルエリアで横パスを受けた山下がワンタッチの鋭い縦パスを本間に入れ、振り向きざまのシュートで同点。PK戦も落ち着いて決め勝利。後半の采配変更が勝利に結びついたゲームであった。

準々決勝 静岡学園高校
 互いにポゼッションする同タイプのチームかと思われたが、ボール局面での力強さの静学、しなやかさの昌平と明らかな違いがあった。試合が進むにつれ、昌平ペースの展開となる。ポゼッションからタイミング良く裏に抜け出すロングフォワードパスや低く鋭いグランダーの縦パスで攻撃のスイッチが入ると一気にゴールへ迫っていく。前半終了間際、その攻撃に対応しきれなかった相手選手が一発退場を受けた。後半、一人多くなった昌平は、ドリブルを活かし多彩な攻撃を仕掛けた。50分、自陣からのビルドアップから針谷を経由して左サイドへ展開し、松本、本間のパス交換から最後は松本の技ありのシュートで先制。その後、静学は2バックに変更し攻撃に人数を掛け、高さとパワーとセットプレーで勝機を見出そうとするが、昌平は体を張ってしっかり守り、カウンターで追加点を狙うという展開になった。試合はそのまま終了し1-0で勝利した。この試合、針谷のプレーが相手を翻弄した。昌平全員の勝利には違いないが、その中で針谷の存在はとても大きなものであった。

準決勝 市立船橋高校
 厳しく連続アプローチし圧力のある守備の市船に対し、パスとドリブルで絶妙にかわしながらポゼッションする昌平。市船は、奪ったボールを素早く前線に送り速攻を試みるが、昌平の攻守の切り替えも素早く、シュート場面までは持って行かせない。市船のプレスをかわすべく繰り出す針谷のサイドチェンジは極めて有効だが、その後にスピード感がなく昌平も好機を作れない。サイドバックが極めて高い位置を取り、サイドハーフが中のスペースに入りビルドアップに参加する市船の動きに対し、うまくマークの受け渡しができず良いポジションが取れなくなった昌平は、徐々にサイドを攻略され好機を作り出されてしまう。それにより、サイドバックが攻撃参加できなくなり、攻守のバランスが崩れ持ち前の攻撃的な姿勢が影を潜めていった。30分、自陣で奪われたボールをショートカウンター気味にサイドを突かれ失点してしまったが、全体的には、昌平の落ち着いたポゼッションが市船にいらだちを募らせるような前半であった。後半、市船は、更に守備の圧力を強めるとともに奪ったボールをチームとしてポゼッションし、昌平にボールを保持させない戦い方に修正してきた。昌平は、ボール保持率が減少し守勢に回る場面が増えたが、それでも時折見せるカウンターで勝機を見出そうとする。しかし、市船の厳しさは体力的・メンタル的・戦術的にも落ちることなく、したたかに勝利へと向かう戦い方で勝利した。
 昌平は、自分たち力を出し切った。この試合から得た課題は今後の大きな糧となるであろう。
また、互いにこの試合が6日間で5試合目。ナンセンスな日程であるが、それに言い訳しないプレーを披露してくれた両チームを称賛したい。

聖望学園高校の戦い

1回戦 徳島市立高校
 初出場の聖望学園高校は、1回戦で徳島県代表の徳島市立高校と対戦した。フォーメーションは埼玉県大会と同じく4-1-4-1でスタート。立ち上がりは徳島市立に主導権を握られるが、県予選と同様にラインを非常に高く保ちコンパクトフィールドを形成しながらプレスをかけ徐々にいい状態でボールを奪える回数が増えてくる。このような展開から前半23分に先制点を奪う。その後は徳島市立が前がかりになったところを、いい形でボールを奪いショートカウンターを仕掛けていく場面が多くなる。このような展開から決定機を逃さず確実に得点を挙げ、4-1で快勝した。

2回戦 鹿島学園高校
この試合も1回戦と同様のシステムで臨んだ。攻守ともに自分たちの特徴を出し、先制されるも逆転をして3回戦進出かと思われたが、後半アディッショナルタイムに同点に追いつかれPK戦の末敗れた。全国大会という舞台でも攻守においてチームの特徴を出し、通用している部分がたくさんあった。聖望学園高校にとっては大きな自信になった大会だっただろう。ただし、勝ちきれる試合に後半のアディッショナルタイムで追いつかれて敗退してしまったことは非常に悔やまれる。この経験を活かし、今後、さらに成長していってもらいたい。

平成28年度全国高等学校総合体育大会埼玉県予選 大会総評

「昌平 高校総体埼玉県予選初優勝、聖望学園 初の全国大会出場」

報告者:高体連技術委員 朝霞西高校 山下 暁之

 平成28年度全国高等学校総合体育大会埼玉県予選が5月28日から6月22日の期間に開催された。本大会は、U-18埼玉県リーグS1・S2に所属している26校と関東大会埼玉県予選でベスト4の成績を残した狭山ヶ丘そして各支部の予選を勝ち上がってきた25校の計52校によるトーナメント方式で実施された。優勝は高校総体埼玉県予選では初となる昌平、準優勝は聖望学園で、3位は正智深谷・狭山ヶ丘、ベスト8に大宮南・浦和東・国際学院・市立浦和という結果であった。
 優勝した昌平、準優勝の聖望学園の2校が7月26日より広島県で開催される全国大会の切符を手にした。
決勝戦は準決勝で関東大会の埼玉県予選で優勝した正智深谷をPKの末に破った聖望学園と、こちらも準決勝第1試合同様にPKの末狭山ヶ丘に勝利した昌平の戦いであった。決勝戦は昌平が優位にゲームを進め前半を4対1で折り返すが、後半になると聖望学園が3点を返し延長戦へ突入。一進一退が続いた延長戦だったが後半に昌平が決勝点を加え5対4という結果で決勝戦の幕は閉じた。
優勝した昌平は、選手個々のボールコントロールがしっかりしていて高い個人技をベースにした攻撃が特徴である。中盤が流動的にポジションチェンジしながらテンポ良くパスを繋ぐ攻撃的なポゼッションサッカーのスタイルのチームで、CBが広がりながら、SBが高いポジショニングをとり、そのスペースに⑥新垣、⑦針谷が顔を出しボールを受けて攻撃がスタートしていく。相手の状況を見ながらビルドアップすることができ、左MF⑩松本のドリブル突破や、⑩松本が創ったスペースを左SB⑮塩野がオーバーラップをしてサイドを攻略していく場面が多く見られた。またFW⑨本間の質の高い動き出しに対して精度の高いスルーパスを配給したり、⑨本間に楔を入れ、それに対して素早いサポートからゴールを目指したりと多彩な攻撃を仕掛けていた。しかし、全体的に主導権を握る試合が多かったため、ビルドアップの際に奪われてカウンターを受ける場面も多かった。攻撃時のリスクマネージメントや攻撃から守備の切り替えをもっと速くすることが今後の課題である。
準優勝の聖望学園も丁寧にボールをつなぎながらポゼッションを志向するスタイルで勝ち上がってきた。GK①山田が積極的にビルドアップに参加し、CB④伊坂・CB⑤横山・ボランチの⑥山川4人で数的優位を作り長短のパスを織り交ぜ、MF⑦高橋・⑧糟谷にいい状態でボールが配給された際に攻撃のスイッチが入る。FW⑩高木は身体能力が高く彼に楔が入るとリズムのいい攻撃が展開できる。DFラインは非常に高いラインを設定しコンパクトフィールドを意識しながら全体を保ち、連動した守備を行う。裏へのスルーパスに対してはGKが高いポジショニングをとることで対応し、スペースを突破されてもチーム全体での帰陣するスピードが速かった。決勝戦の前半はコンパクトフィールドを保っていたがボールホルダーに対してのプレッシャーが弱く背後のスペースを突かれることが多かったが後半はプレシャーが強くなりいい状況でボールを奪う場面が増え、そこからいい形で攻撃につなげられる場面が多かった。
3位の正智深谷は個人技が高い選手が多く、MF⑩小山を中心にボールを配給し個人やグループで突破をはかり、多彩な攻撃を仕掛けていた。選手層も厚く前線で決定的な仕事ができる選手が多いのも強みである。準決勝では決定的な場面のフィニッシュの精度を欠き敗退した。守備については、コンパクトな守備ブロックを形成し、前線から素早く連続したプレスでボールを奪いにいく。球際も厳しく、相手に自由を与えない守備が徹底されていた。
同じく3位の狭山ヶ丘はフィジカルが高い選手が多く、奪ったボールはシンプルに前線へフィードしスピード感のある攻撃を徹底していた。FW⑨野村・⑯小川をターゲットにロングボールを多用し相手陣地に侵入して主導権を握っていく。ハードワークをし、準決勝の昌平戦では昌平にボールを保持される時間帯が多かったがコンパクトな守備と高い集中力、粘り強い守備でゴールを守った。
大会全般を振り替えると守備意識が高く、積極的なプレスでボールを奪いに行くチームが多く見られた。攻守が切り替わった瞬間に1stDFの限定から守備ブロックを形成し、個だけでなくグループとしてボールを奪おうとする意識が強いチームが増えてきたように感じた。このような守備を有効にするためにコンパクトフィールドを形成したり、ファーストオーガナイズを意識するチームが増えていた。ただし、グループでの守備を突破された際やスペースにボールを配給された際の1対1の守備力という点においては多くのチームで課題があったように感じた。
今後、全国で勝ち抜いていくためにはチームとしての守備のスタイルを確立させることはもちろんだが「1対1の局面で絶対に負けない選手」が数多く育っていくことが必要不可欠である。個人の守備力の向上がグループやチームの守備力のさらなる向上につながっていくと考える。
今回インターハイに出場できなかったチームはこの夏を通して一回りも二回りも成長して選手権の予選を迎えてもらいたい。インターハイに出場する昌平・聖望学園はこの予選を通しての課題をしっかりと克服し、本大会では優勝を目指して頑張ってもらいたい。健闘を期待する。

平成28年度 第59回関東高校サッカー大会 大会総評

報告者:高体連技術委員 越ヶ谷高校 野木 悟志

 6月4・5・6日の3日間で第59回関東高校サッカー大会が千葉県で開催された。
大会は、各都県1位の8チームをAグループ、2位の8チームをBグループとし、各グループ8チームによるトーナメント方式で行われた。Aグループの1位、2位が全体での優勝、準優勝。また、Bグループの1位が全体の第3位となる大会規定である。埼玉県からは、Aグループに正智深谷高校、Bグループに昌平高校が出場した。正智深谷高校は、1回戦駒澤大学高校(東京都1位)に1-2と惜しくも初戦敗退。昌平高校は、1回戦山梨学院高校(山梨県2位)に延長戦の末4-3で勝利、準決勝は高崎経済大学附属高校(群馬県2位)に3-2で勝利、決勝は矢板中央高校(栃木県2位)に2-0で勝利し、Bグループで優勝を飾り、大会第3位という結果となった。
 正智深谷は、1回戦駒澤大学と対戦した。序盤からボールへの出足が鋭く、アグレッシブな攻撃を仕掛け、先取点を奪った。その後は両チームともに球際に激しく、攻守が目まぐるしく入れ替わる展開が続いた。駒澤大学のロングパスを多用する攻撃に対し、DF③田村を中心とする守備陣がしっかり対応し、決定的な場面を作らせずに1-0のまま前半終了。後半、両サイドを広く使い始めた正智深谷がサイドからチャンスを作り、ペースを掴む。ボランチと前線の選手の距離感がよくなり、人数をかけた厚みのある攻撃からPKを獲得したが、駒澤大学GKに阻まれ追加点を奪うことができなかった。その後も正智深谷がドリブルとショートパスからチャンスを演出するが、駒澤大学のゴール前での献身的な守備で得点までいたらない。選手交代をして攻撃を活性化させ、空中戦の強さを活かしたセットプレーとロングスローで猛攻を仕掛ける駒澤大学の前にピンチが続き、試合終盤に連続失点を喫し、1-2と逆転負けとなった。
 今大会優勝した駒澤大学に対しシュート数や決定機で上回る試合内容であっただけに、正智深谷の初戦敗退は残念な結果であった。優秀選手には高さと強さを持ち、カバーリング能力に優れたDF③田村が選出された。
 昌平は、1回戦山梨学院と対戦した。幅を使いSBが関わりながらビルドアップを図り攻撃を仕掛け、CKから幸先よく先制点を奪う。その後、山梨学院ボランチのテンポよいボール回しから決定機を作られるが、集中した守備で失点を許さない。コンパクトフィールドを形成している山梨学院に対し、DFラインの背後をつく攻撃から追加点を狙うが、1-0のまま前半終了。後半開始、昌平はテンポの良いパス交換から追加点を奪う。守備ではボランチ⑥新垣、⑦針谷が人とスペースを管理しながらバイタルエリアを効果的に使わせず、山梨学院に攻撃の形を作らせない。終了間際、山梨学院のセットプレー、ロングスローから2点を失い、同点とされ延長戦に突入したが4-3と競り勝ち、準決勝進出を決めた。
 準決勝は、高崎経済大附と対戦した。DFラインから丁寧にビルドアップし、ボールを保持した昌平が試合序盤にFW⑨本間のシュートで先取点を奪う。その後、DF陣のパスミスから奪われたボールをPA内に持ち込まれPKを与えてしまい、高崎経済大附に同点とされる。さらに、前半終了間際に一瞬の隙を突かれ失点し、1-2とリードを許し前半終了。後半、ボランチを軸にテンポよくパス回しをして攻める昌平に対し、前線のスピードを活かしたスピーディーな攻撃を仕掛ける高崎経済大附が互角の戦いを見せる。同点に追いつきたい昌平はMF⑭山下を投入し攻撃のリズムを変えることを試みる。FW⑨本間の裏への鋭い動き出しによって相手守備陣が下がり、できた中盤のスペースをうまく使い、細かいパス回しからフィニッシュまでいくシーンが徐々に増えていく。攻め続けた昌平がFW⑨本間のゴールで同点に追いつく。さらに、ボランチ⑥新垣のスルーパスに途中出場したMF⑭山下が絶妙なタイミングで抜け出し、ゴールを決め3-2と再び試合をひっくり返す。試合はそのまま終了。見事な逆転劇で決勝に駒を進めた。
 決勝は、矢板中央と対戦した。序盤から前線の選手が流動的にポジションチェンジしながらパスを繋ぎ、相手守備陣の裏のスペースをつく攻撃から矢板中央ゴールに迫る。左SH⑩松本が中への動きで相手SBを引き出し、空いたスペースを左SB⑮塩野やFW⑨本間が使い左サイドから崩していく場面を多く作るが、クロスの質が低く得点にいたらない。その後も左サイドから攻め続けた昌平が待望の先取点を奪う。オーバーラップした左SB⑮塩野が左SH⑩松本からの丁寧なパスを受け、シュートを決め1-0で前半を折り返す。後半開始早々に再び左サイドを起点とした攻撃から攻め込み、MF⑧星野のゴールで2-0とリードを広げた。矢板中央の高い身体能力を活かした攻撃に対し、昌平DF②石井を中心とする粘り強い守備陣でしっかり対応し、チャンスを与えない。落ち着いた試合運びで終始優位に進めた昌平が2-0で勝利し、Bグループで優勝を飾り、今大会3位という結果となった。
 昌平は、3試合全てで攻撃的なポゼッションサッカーを軸に攻守において主導権を握った試合運びができていた。優秀選手には、キャプテンとしてチームを牽引し守備能力が高いMF⑥新垣、視野が広く展開力に優れたMF⑦針谷、瞬間的なドリブル突破と決定力のあるFW⑨本間、サイドからの鋭いドリブル突破が魅力的なMF⑩松本の4名が選出された。
今大会を振り返ると、埼玉県のチーム(選手)は他都県のチーム(選手)よりも技術レベルが高い印象を受けた。相手守備者から素早いプレッシャーをかけられても正確なボールコントロールやショートパス、緩急をつけたドリブルなどで局面を打開できる場面が多く見られた。しかし、「デュエル(球際の競り合い)」で劣っている場面が守備面で見受けられたことは課題である。現日本代表監督ハリルホジッチが世界の強豪国と戦う上でデュエルを重要視していることと同じように、埼玉県のチームが全国で勝ち抜いていくためには今後、デュエルを強化していくことが必要であると感じた。
関東大会に出場した2チームには、今大会の経験を糧にさらなる飛躍を期待して総評とする。

平成28年度 関東高校サッカー大会 埼玉県予選 大会総評

正智深谷高校「2年ぶり3回目の優勝」-関東大会埼玉県予選を振り返って

報告者:高体連技術委員 越ヶ谷高校 野木 悟志

 4月16日から30日にかけて平成28年度関東高校サッカー大会埼玉県予選が埼玉スタジアム第2Gなどの会場で開催された。今大会は、昨年度の全国高校サッカー選手権埼玉県予選ベスト8進出の8チーム(正智深谷・西武台・浦和東・昌平・国際学院・市立浦和・埼玉栄・聖望学園)と、1月に行われた新人大会各支部予選から勝ち上がった24チームの合計32チームによるトーナメント方式で行われた。優勝は正智深谷高校、準優勝に昌平高校、3位に浦和東高校と狭山ヶ丘高校という結果となった。
 優勝した正智深谷は、5試合で12得点、許した失点はPKによるわずか1失点のみであり、堅守が光った戦いぶりであった。決勝では攻から守の切り替えが早く、コンパクトな3ラインでブロックを形成し、CB④中澤を中心に的確にラインコントロールしながらDF背後のスペースを与えずに昌平の攻撃を封じた。前線からのチェイシングでパスコースを限定させ、入ってきたボールに対して複数の選手でボールを奪うなどチームでプレスをかける位置やボールの奪い所が共有できていた。後半の半ば以降は運動量が落ち、昌平の人数をかけた厚みのある攻撃に危ない場面も幾度となくあったが、献身的で粘り強い守備で対応し、1失点のみに抑えた。攻撃は、奪取したボールをシンプルに前線へ配給し、個のテクニックやスピードを活かした攻撃で相手ゴールに迫る。ボランチが前線の選手へタイミング良く関わって攻撃の選択肢を増やし、サイド攻撃からフィニッシュまでいくなど良い場面も作れていた。シュート数や決定機は昌平よりも下回ったが、好機を確実にものにし2点を奪い、2-1で競り勝った。新人大会のリベンジを果たしての優勝となった。その中心がキャプテンでボランチ⑦小山であった。攻撃ではボールを失わずにタメを作り、正確なパスで決定機を演出する。守備では豊富な運動量と的確な読みで相手の攻撃の芽を摘んでいた。決勝では2得点を挙げる活躍を見せ、攻守の中心として優勝に大いに貢献した選手であった。
 準優勝の昌平は、中盤が流動的にポジションチェンジしながらテンポ良くパスを繋ぐ攻撃的なポゼッションサッカーのチームであった。展開力に優れたボランチ⑦針谷を中心に、左MF⑩松本からのサイドの崩し、FW⑨本間の鋭い飛び出しとスピードにのったドリブルからの中央突破など多彩な攻撃を仕掛ける。準決勝の浦和東との試合では、0-2のビハインドの状況であったが、慌てることなく自分たちのスタイルを貫き、試合時間残り20分で2点を奪って同点に追いつきPK戦の末、勝利した。新人大会覇者としての「プライド」と「自信」を窺うことができた試合であった。決勝では、ボールを保持し主導権を握って試合を進めていたものの、正智深谷のコンパクトで組織的な守備の前にアタッキングサードまで侵入できずに、決定的な場面をなかなか作ることができなかった。後半、選手交代とシステム変更で攻撃を活性化させ、サイドを起点にチャンスを作りPKで1点を返した後も猛攻を仕掛けたが、フィニッシュの精度を欠き2点目を奪えなかった。守備については、コンパクトな守備ブロックを形成し、前線から素早く連続したプレスでボールを奪いにいく。球際も厳しく、相手に自由を与えない守備が徹底されていた。しかし、決勝と準決勝ではDFラインの統率が不十分で1本の裏へのパスで崩されてしまったり、ゴール前でのプレスがかからず簡単にシュートを打たせてしまったりする場面から失点した。新人大会に続く、優勝とはならなかったが相手チームから研究され、苦しい試合展開もあった中での準優勝という結果はさすがであった。今後、守備が安定してくればチームとしての完成度はさらに高まっていくであろう。
 3位の浦和東は、全員が攻守においてハードワークし、素早いパス回しから人数をかけたスピーディーで厚みのある攻撃と堅実な守備を特徴とするチームであった。伝統の粘り強さとメンタルの強さを発揮し、初戦から3試合連続の1点差の接戦を制し勝ち進んだ。昌平との準決勝は、コンパクトフィールドを意識しながらDFラインを高く保ち、前線からハイプレスをかけてボールを奪うと、鋭いショートカウンターから得点を挙げた。その後、2点目を奪い試合を優位に進めるが、次第にボールホルダーへのプレスがかからなくなり、DFラインが下がったことで空いた中盤のスペースを相手ボランチに使われ、そこを起点に押し込まれる展開となり、2点を失った。結果はPK戦で敗れはしたものの、どちらが勝ってもおかしくない素晴らしい試合であった。今後、個とチームの守備力がさらに高まっていけば、埼玉県でタイトルをとれるチームに仕上がってくるであろう。
 同じく3位の狭山ヶ丘は、大宮東・大宮南・西武台といった実力のあるチームに3試合連続でPK戦を制し勝ち上がってきた。正智深谷との準決勝では、初の大舞台での試合であったが、落ち着いて試合に入り序盤から出足が鋭く、攻守においてアグレッシブなサッカーを展開した。攻撃力のある2トップにシンプルにボールを集め、スピードと力強さで相手ゴールに迫るが、得点機を作るまでとはいたらなかった。キッカーの精度が高いことに加え、空中戦に強い選手が多く、セットプレーでは惜しい場面が何度かあった。守備は、個の守備能力の高さと粘り強さをベースに正智深谷にチャンスを与えなかったが、一瞬の隙を突かれ失点し、0-1で惜敗した。優勝した正智深谷にシュート数と決定機で上回り、互角以上の戦いぶりからその実力の高さを窺えた。2トップに味方選手が多く関わる連動性をもった攻撃ができてくると、得点機が増えていくであろう。
 大会全般をみると、どのチームも守備意識が高く、組織的に守備を行っていた。守備の戦術がしっかり確立しているチームが多く、2月の新人大会からの成長の跡が窺えた。1stDFが相手のプレーを制限するようにプレスをかけて、入ってきたパスを複数の選手で囲い込みボールを奪うなどチームとして意図的にボールを奪う場面が多く見られた。ラインを高く保ちながらコンパクトフィールドを形成し、相手にスペースと時間を与えずに前線からプレッシャーをかけ、より高い位置でボールを奪えている場面もあった。しかし、リスクマネジメントは課題である。守備がバランスよく整った状態では崩され失点するような場面は少なかったが、守備が整う前に1本の縦パスを通されてピンチを招く場面や失点につながる場面が見られた。自チームが攻撃している時でもサポートを考えつつ、ボールを失った時のマネジメントができるポジションにつくなど守備の準備をしておくことが重要である。また、攻撃についてはボールを奪ったら相手守備陣が整う前に、素早く前線に縦パスを入れてスピーディーな展開から得点につながった場面が多かった。しかし、前述したように守備面での向上があり、守備陣が整い強固なブロックを形成された時には、崩しきれずに得点を奪えない場面もまた多く見受けられた。長短織り交ぜたパスや攻撃の緩急、サイドの崩しと中央突破、コンビネーションプレーと個による局面の打開など攻撃に工夫と変化を加えた多彩な攻撃を仕掛けていくことが必要であると感じた。そのためには個の技術(蹴る・止める・運ぶ)をより正確に、より速くしていくことはもちろんのこと、オフの選手の関わり方も向上させていくことが求められる。味方選手が動いてできたスペースを他の選手が使うこと、3人目の動きでDFラインの背後に飛び出すことなどオフの選手の動きの質が高くなっていけば相手守備陣を崩し、得点機が増えていくにつながっていく。次の大会では「強固な守備陣をどのようにして崩し、得点を奪うのか」という点に注目して各チームの攻撃を見ていきたい。
 今回優勝した正智深谷、準優勝した昌平は6月4日から千葉県で行われる関東大会に出場する。両チームともに県予選での成果と課題を整理して本大会に臨み、埼玉県代表として良い結果を残すことを期待して総評とする。

平成27年度 埼玉県高等学校サッカー新人大会 大会総評

報告者:高体連技術委員 越ヶ谷高校 野木 悟志

 平成27年度埼玉県高等学校サッカー新人大会は、2月6日.7日.13日.20日の4日間をかけて埼玉工業大学などの会場で行われた。今大会は、昨年の高校サッカー選手権埼玉県大会ベスト8のチームと、1月に行われた新人大会各支部予選から勝ち上がった8チーム(各支部2チーム)の合計16チームによるトーナメント方式で実施された。結果は、昌平高校が2年ぶりの優勝、準優勝に本庄第一高校、3位に正智深谷高校と浦和東高校という結果となった。
昌平高校は、4試合で17得点、無失点という圧巻の強さでの優勝であった。攻撃は流動的にポジションを変えながらボールを素早く動かし、相手の隙を作っては人数をかけて攻撃を仕掛ける。前線の選手に高い技術と豊富なアイデアがあり、多彩な攻撃から多くの得点を奪った。その中心がボランチ⑦針谷と左MF⑩松本である。⑦針谷は高い技術と的確な判断力を兼ね備え、パスで攻撃のリズムを作り多くの好機を演出した。⑩松本はサイドや中央で自由に動きながらボールを引き出し、ドリブル突破や前線へのスルーパスで多くのチャンスメイクをするとともに、自らも得点を奪うことでチームの勝利に貢献した。決勝での2得点に絡む活躍は、まさにエースナンバー⑩に相応しい活躍であった。守備については、一人一人の守備意識とボール奪取能力が高いことに加え、ブロックを意識した組織的な守備ができていた。味方同士の距離感やバランスが良く、相手にスペースと時間を与えない守備が徹底されていた。決勝や準決勝でのピンチの場面では、GK①緑川、両CB②石井と③柳田の献身的な守備により、無失点で切り抜けられたことが勝利につながった。優勝という結果だけでなく、試合内容からも現時点での昌平高校の完成度は他チームと比べ、高いと感じた。昨年のプリンスリーグ関東でのハイレベルな戦いがチームとしてのレベルアップにつながり、選手に自信と落ち着きを与えているのであろう。また、県トレセンU-16で活動していた選手が多く、Jクラブの選手とのトレーニングや韓国遠征での国際経験が個人を大きく成長させているのも窺えた。
 準優勝の本庄第一は、支部予選から出場し県大会の決勝まで8連勝で勝ち上がってきた勢いのあるチームであった。県大会に入ってからの3試合は全て1点差の試合であり、試合を重ねるたびにチームの成熟度が高まり、勝負強さを身につけていった。前線のスピードを活かしたスピーディーな攻撃を特徴とし、手数をかけずにフィニッシュまでいく場面が多く見られた。FW⑨小林はスピードと高い身体能力を武器に得点を奪い、エースストライカーとして攻撃を牽引した。守備はボールへのプレッシャーと集結が速く、人数をかけてボールを奪う形がよくできていた。危ない場面では、GK①大木を中心に体を張った粘り強い守備でゴールを守った。準決勝では浦和東の攻撃力に苦しめられながらも少ないチャンスを確実にものにし、2-1で競り勝った。決勝は昌平の素早いパス回しと動き出しに1stDFが遅れ、ボールの奪い所をチームで共有できずに攻め込まれる場面が多かったが、ゴール前での高い集中力と献身的なプレーで簡単には得点を許さなかった。運動量が落ちた試合終盤に2点を失い0-2で敗れたが、随所に本庄第一らしさを見ることができた試合であった。今後は、1試合を通して自分たちのサッカーができる運動量が身についてくると、さらに相手チームに脅威を与えるチームになるであろう。
 3位の正智深谷は、高い技術と判断力に優れた選手が多く、攻守においてバランスの取れたチームであった。4-4-2のシステムでFWからDFラインまでの3ラインをコンパクトに保ち、ブロックを形成して組織的な守備からボールを奪い、2トップを起点に攻撃を仕掛ける。FWには高さやスピード、テクニックのある選手がおり、パスやドリブル突破から多くの決定機を作っていた。2トップにボランチやSHの関わりが増えていけば、さらに厚みのある攻撃が展開できるであろう。
同じく3位の浦和東は、豊富な運動量と攻守の切り替えの早さをベースに攻撃的なポゼッションサッカーを展開し、3試合で13得点と攻撃力が目立った。ボランチを中心にリズムよくパスを繋ぎ、両SBの積極的な攻撃参加からのサイド攻撃と2列目からのタイミングの良い裏への飛び出しから多くの得点を奪った。ボールポゼッション時にショートパスに加え、局面を一気に変えるようなロングパスなど長短を織り交ぜたパス回しが増えてくると、さらに攻撃の幅が広がり、得点機が増えるであろう。
大会全般をみると、攻撃スタイルに違いはあるが、ボールを大切にしながらアグレッシブに攻撃を仕掛けるチームが多く見られた。ノージャッジでの前線への蹴り出しや前線の個の力に頼る単調な攻撃は少なく、複数の選手が関わりながらパスを繋ぎ、厚みのある攻撃から得点を奪うなど良いシーンも見ることができた。しかし、相手守備者からハイプレッシャーをかけられると、パスミスやコントロールミスから簡単にボールを失っている場面も目立った。ハイプレッシャーの中でもより正確な技術(パス&コントロールの質)と判断力を磨いていくことが必要であると感じた。また、守備についてはチームとしてブロックを形成して守ろうとするチームが多かったが、バランスを意識しすぎて1stDFが定まらない場面や、1stDFの守備の仕方に意図がない場面があり、相手のプレーを制限しチームで連動しながらボールを奪うという守備はあまりできておらず、今後の課題と言える。
 今大会における各チームの成果と課題を整理し、2016年度のリーグ戦や高体連大会に向けて課題を克服しながら長所を伸ばし、個とチーム両方の完成度をさらに高めていくことを望むとともに、埼玉県のチームが全国でタイトルをとることを期待して総評とする。

平成27年度 第94回全国高校サッカー選手権大会 大会総評

報告者:県2種技術委員長 越谷総合技術高校 大森 健司

「大会全般」

東福岡が前評判通りの力を発揮し優勝を飾った。個々の技術、戦術、フィジカルが高く、また、チームとしての戦い方も成熟していた。事実上の決勝戦ではないかとささやかれた3回戦の市立船橋戦が今大会の大きな山場となったが、幾度かのピンチを凌ぎ切りPK戦で勝利を掴んだ。試合の展開は、前半、市立船橋の守備に攻撃陣が封じられ相手のペースで進んだが、後半、市立船橋のプレスがやや甘くなったこともあり、ピッチを広く使う本来の攻撃が機能し互角の戦いとなった。全国高校総体の決勝でも対戦し、その試合もPK戦までもつれる死闘であったが、5か月経ったこの試合も同様な戦いであったことから両チームが他の追随を許さず全国上位の力を維持していたことが窺える。
今大会を振り返ると、関東勢の躍進が見られ、1都7県9代表の勝利数は、全49試合中16勝であった。本県代表の正智深谷だけが初戦敗退という結果になってしまったが、0-1で惜敗した明徳義塾は力がありベスト8に進出した。また、ベスト8に東海・近畿・中国のチームが1チームも勝ち上がることができなかったことは、近年の状況からみると驚くべきことである。近年、地域格差がなくなり47都道府県全てが上位を狙えるようになってきた。各都道府県の4種年代からの育成の取り組みにより、どの地域からも優秀な選手が輩出されるようになったことが要因と考えられる。また、JFA主導の下、指導者養成・資質向上が図られ、全国で優秀な指導者が多数活躍していることも忘れてはならない。ユース年代は、育成から戦う年代へと移行していく年代であり、今までのプロセスに新しいエッセンスが必要となる。したがって、ユース年代の選手を預かる2種(高校)の指導者は、責任をもって指導に臨み次の年代へ送り出さなければならない。
今大会は、実績のあるチーム同志が初戦で対戦する組み合わせが多数見られた。前橋育英vs大津、國學院久我山vs広島皆実、尚志vs京都橘はその代表的な例としてあげれらる。高校サッカーファンにとって、もっと見たかったチームが早い段階で姿を消してしまったことは少々残念なことであったと思う。
トピックスとして挙げられるのは、試合開始直後、終了直前の得点が多く、しかも、その得点が勝敗を決めた試合が複数みられたことである。リーグ戦が年間を通して行われるようになり、その間にトーナメント方式の大会がある。リーグ戦の効果は承知のとおり年間を通して多くの公式戦の中でM(マッチ)-T(トレーニング)-M(マッチ)を繰り返すことができ、選手のクオリティを切れ間なく向上させることができる。そして、それが日本サッカーの強化に繋がっていくのである。しかし、トーナメント方式は、リーグ戦と違い目前の試合を勝ち取らなければ次の試合がなく、負けないことが最大の課題となる。その分技術・戦術がシンプルで確実なものに傾きやすく、個の成長を阻害するおそれがある。リーグ戦の戦い方、90分の時間の使い方が身についてきている半面、80分のトーナメントに苦戦している一面が垣間見えた。
二つ目は、ロングスローである。過去にもロングスローを投げる選手はいたが、それを武器とする選手が増加した。また、距離・スピードともに蹴ったボールに等しいほどの威力がある「超ロングスロー」を投げる選手も現れた。クリアーといえども自陣の深い位置でタッチに蹴り出してはコーナーキックに等しいスローインを相手に与えてしまう。その代表的な例として、青森山田vs桐光で青森山田の選手が投げたロングスローによりアディショナルタイムに同点に持ち込んだシーンが顕著である。これは正智深谷でも見られ、明徳義塾戦で終盤に出場した選手が終了間際に数回好機を演出した。

「正智深谷の戦い」

対戦した明徳義塾は、全国高校総体で今大会優勝の國學院久我山、近年台頭著しい桐生第一を撃破しこの大会でもベスト8に進出した力のあるチームである。その明徳義塾に対して1回戦で敗れたものの全国で戦える力を窺うことができた。現U-23代表のオナイウ阿道のような絶対的なエースはいないがチームとしてまとまっていた。攻撃は、前線にスピード、キープ力のある選手を配置し、相手守備陣の背後のスペースやサイドのスペースを個の特徴を活かし仕掛けた。守備は、4DFがスペースを空けないポジション取りで待ち構え相手をスピードに乗らせず、奪ったボールはシンプルに高い位置へ配給する。正智深谷は、キャプテン小島遥を中心に攻守に亘って献身的なプレーで応戦したが、前半10分に一瞬の隙を突かれ失点してしまった。その後は、粘り強い守備を続け追加点を許さない展開であった。後半、選手交代でリズムに変化をつけ、終盤は優位な戦いであったが得点に至らず終了した。終了直前、トピックスであげたロングスローから好機を作り、会場を沸かせた場面が記憶に残った。前回初出場の第91回大会では、準優勝した京都橘に1回戦2-2の末PK戦で敗れている。両大会とも実力のあるチームとの対戦であり、初戦敗退といえども力不足ゆえの敗退ではない。近年の埼玉県代表は、第92回大会では市立浦和が優勝した富山第一に2-3、第93回大会では昌平が米子北(優勝した星稜に1-2で惜敗)に0-1で敗れている。埼玉県高校チームは、僅差を勝ち取る試合の運び方に課題があるとともに、大会優秀選手に選出されるような特徴ある個を育てなければならないと感じた。

「県予選を振り返って」

西武台の県内4大会(新人、関東、総体、選手権)完全優勝が話題となった大会であったが、今年度、リーグ戦で西武台に土をつけている正智深谷が優勝を飾った。決勝戦、開始3分に右サイドをドリブルで突破した梶谷からのクロスを玉城が合わせ先制し、その1点を守りきった。全国選手権のトピックスと同じ現象が県予選でもすでに見られていたことになる。ベスト4には、4地区から1チームづつ、昌平(東部)、西武台(西部)、浦和東(南部)、正智深谷(北部)が勝ち上がり、県内どの地区からも代表を狙えるようなチームが出るようになった。
全体の傾向として、守備の意識が高まってきたように感じられた。守備時にボールへのプレッシャーが速く強く、また、コレクティブにボールを奪うことができるようになってきた。また、守から攻への切り替え時に奪ったボールを安易に失うことも少なくなった。以前は、攻撃の優先順位を意識するあまり、難しい状況でも前線へボールを配給し失うケースがよく見られたが、瞬時の判断で選択肢を変えボールを保持し続けられるようになってきた。チームのシステムも多様になり、4-4-2が主流ではあるが、4-1-4-1、3-6-1、4-2-3-1、4-3-3など各監督が選手の良さを引き出すために思案しているのが窺えた。
埼玉県のチームが全国で勝ち抜いていくためには、前日本代表監督ザッケローニが日本に残した「インテンシティ(プレーの強度)」とプレーの精度を高めることが必要であると感じる。激しい戦いの中でプレーのブレを少なくするためには、各チームが普段のトレーニングでより意識し取り組んでいかなければならない。

平成27年度 全国高等学校総合体育大会(兵庫県) 大会総評

報告者:高体連技術部 大宮南高校 大野 恭平

 8月3日から近畿インターハイ2015が兵庫県で開催されました。埼玉県からは西武台高校(第一代表)西武文理高校(第二代表)が出場しました。
 初出場の西武文理高校は、一回戦で大分県代表の大分高校と対戦しました。全国大会初出場でどのような戦いを見せてくれるか非常に楽しみな一戦でした。フォーメーションは埼玉県大会と同じく4-4-2でスタート。立ち上がりから積極的に攻撃する西武文理は、FW⑩田辺⑬木村が前線でボールを収め厚みのある攻撃を仕掛け、またCB④三ツ田のロングフィードからSB・SHが関わりながらサイドを突破してチャンスを作る。大分高校の粘り強い守備でなかなか得点できない中、相手の思い切りの良いロングシュートで先制される。反撃したい西武文理であったがCKから決められ0-2となる。後半になると、大分高校の縦に早い攻撃の前に守備に追われる展開が続き反撃する機会を得られない。その後1点を追加され0-3となり試合が終了する。
 西武台高校は初戦で愛知県代表の中京大中京高校と対戦。西武台も埼玉県大会と同じく4-2-3-1でスタートした。西武台はFW⑩川田・MF⑪橋本の個の力が相手の力を上回り何度となくチャンスを作る。しかし、西武台は中盤の守備形成が遅く、中京大中京のFWに何度も楔のパスを通されピンチを招く場面が多く見られるようになった。そんな苦しい展開の中、相手に直接FKを決められ1-0とリードを許す。後半は相手の運動量が落ちてきたこともあり西武台がペースを握る。特に、⑪橋本の突破からのクロスで相手に圧力をかけ続ける。その攻撃が遂に実り、⑩川田が同点ゴールをあげる。その後2得点を追加した西武台が相手の反撃を1点に抑え3-2で1回戦を突破した。
 2回戦は鳥取県代表の米子北高校との対戦となった。前半は米子北の縦に早い攻撃にDF陣は跳ね返すことが精一杯となり、⑩川田にボールが入っても押し上げが遅く孤立してボールを失う場面が多く見られた。また、相手の2トップの力強いプレーに対応できず自陣のバイタルエリア付近に基点を作られ、中央やサイドからシュートまで持ってかれる場面が多く見られた。後半、西武台は前線からプレッシャーをかけ相手にボールを蹴らせないことによりペースを掴んだ。途中、フォーメーションを変更し、選手交代をしながら攻め続けたがあと一歩及ばず1-2で敗戦となった。
 大会を振り返ると2校とも本来の力を発揮しきれないまま敗退した印象を持った。全国大会に出場するチームはどこも個性的なチームが多く、チーム戦術が徹底されていた。それに対してどう対応しながら自チームの良さを出していけるかが課題であると思う。また、個の部分では、球際の強さや空中戦の強さなどに他チームとの差が見られた。全国で勝つチームは普段からプレミアリーグやプリンスリーグで他県との対戦を経験しているチームが多く、全国で戦う上でその経験は必要であると感じた。今後、2校にはインターハイでの経験を生かし、選手権までにさらにレベルアップして飛躍することを期待する。

平成27年度 全国高等学校総合体育大会埼玉県予選 大会総評

「西武台 埼玉県予選2年連続優勝、西武文理 全国大会初出場」

報告者:高体連技術部 大宮南高校 大野 恭平

 6月6日から6月21日にかけて、平成27年度全国高等学校総合体育大会埼玉県予選が開催された。関東プリンスリーグの昌平、U−18埼玉県リーグS1・S2の28校と川越東・東農大三(関東大会埼玉予選ベスト8)、そして各支部予選を勝ち上がってきた22校、合わせて53校によるトーナメント方式で実施された。優勝は西武台、準優勝は西武文理で、この2校が8月3日より兵庫県で開催される全国大会の切符を手にした。3位は昌平・浦和東、ベスト8に市立浦和・早大本庄・聖望学園・国際学院という結果であった。
 決勝戦は準決勝で昌平に勝利した西武文理と、同じく準決勝で浦和東を破った西武台の戦いであった。天候・ピッチコンディションにも恵まれ、両チームともに持ち味を存分に発揮した好ゲームが展開された。西武台は前線の⑨川田に素早くボールを預け、そこを起点に⑧山口⑦佐藤がサポートに入りサイドに展開、⑪橋本⑩新行内がサイドを切り崩し攻撃を仕掛ける。また、守備においては相手ボール保持者へのプレッシャーが早く、個々がボールを奪う力に優れていた。西武文理は4-4-2でブロックを形成し、奪ってからのショートカウンターでチャンスを作る。特にCB④三ツ田の高さとフィードの正確性は目を見張るものがあった。攻撃では⑩田辺の個の力に頼る部分が多いため、もっと人数をかけて攻撃する機会が増えるとチャンスが多く作れるであろう。一試合を通して、攻める西武台・守る西武文理という展開の中、西武台の個の力が西武文理の組織に優り、4得点を奪って快勝した。
 準決勝に進出した昌平は、2年生が主体のチームでフィジカル的には強さに欠ける部分はあったものの、個々の技術の高さは目立っており、局面を打開する技術や判断力に優れた選手が多く見られた。今後は、プリンスリーグ関東などを戦いながら成長し、選手権では2年連続の出場を狙えるチームに仕上げてくることが期待できるチームであった。浦和東は攻守の切り替えが早く、1試合をハイテンポのリズムでやり通せる非常に魅力的なチームであった。特に、準々決勝では全員がハードワークし、攻守において連動性が見られた素晴らしいゲームであった。その中で、ボランチ④望月の一本のパスで状況を一変させてしまう能力はさすがであった。チームとしてさらに成熟していけばこちらも非常に楽しみなチームである。
 その他で印象に残ったチームとしては、ベスト8で姿を消してしまったが最後まで昌平高校と接戦を演じた早大本庄が挙げられる。後方から丁寧にビルドアップし、個々の的確なポジショニングや状況判断において、局面で数的優位を生かしながらプレーをしていた。非常にバランスが良く、一人ひとりがよく考えてプレーをしていた。また、奪われた後の切り替えも早く、高い位置で奪い返してから何度もチャンスを作っていた。今後は、1試合を通して自分たちのサッカーができるフィジカルが身につくと選手権でも脅威となるであろう。
大会全般をみると、守備意識が高く、積極的にボールホルダーに対してチャレンジして奪いに行こうとするチームが多く見られた。攻から守の切り替えが早く、球際で負けないで奪うということを普段の練習やリーグ戦で意識していることが感じられた。その中で、1stDFのアプローチの距離が遠かったり、1stDFが抜かれた後の周りのポジショニングの悪さが失点に結びつく場面などがあったので、今後の修正点として上げておきたい。また、ブロックを形成してチームで連動してボールを奪おうとするチームも多く見られ、意図的に相手を追い込んで奪う場面やプレスバック等により複数でボールを奪うなど良いプレーもたくさん見られた。しかし、簡単に縦パスを通されたり、それにより慌てて対応することで危険なエリアにスペースを空けて失点する場面があった。縦パスを通させないポジショニングを取ることや慌てないでディレイしながら危ないスペースを空けない対応をすることが必要であるだろう。
攻撃においては、自陣でボールを失うリスクを犯さず早い段階で前線にボールを供給するチームが多かった。受け手と出し手のイメージが共有されていて、受け手が相手DFの背後を取ったり、受け手にボールが収まりそこから厚みのある攻撃が展開されるなどの意図的な攻撃はいいが、ノージャッジで前線に蹴るだけのチームや選手が多く見られたことは残念であった。今後は、止める・蹴るの基本的な技術や観て・考えて・判断する力、的確なポジショニングを取とることやパスかドリブルかの状況判断などの力を向上させていけばチームとして幅広い攻撃を展開することができると思う。
最後に、昨年度の高校サッカー選手権大会のテーマともなった「攻守一体」という視点で見てみると、ボールを失ってからの切り替えの早さから高い位置でボールを奪うことを意識しているチームが多く見られた。また、ボールを奪ってから、攻撃の優先順位を意識したプレーから得点しているシーンもあった。しかし、FW2人で攻めて、残りは後ろに残っている場面や守備に切り替わったときに前線の選手は守備に参加しないなどの「攻守分業」のチームがまだまだ多いという印象を受けた。
今回インターハイに出場できなかったチームはこの夏を通して一回りも二回りも成長して選手権の予選を迎えてもらいたい。インターハイに出場する西武台・西武文理はこの予選を通しての課題をしっかりと克服し、本大会では優勝目指して頑張ってもらいたい。健闘を期待する。

平成27年度 第58回関東高校サッカー大会 大会総評

「関東大会を振り返って」

報告者:県高体連技術部員 朝霞西高等学校 山下暁之

 第58回関東大会が5/30,5/31,6/1の三日間で行われた。
 関東大会は1都7県(群馬・山梨・茨城・栃木・東京・埼玉・千葉・神奈川)の各地区1位の8チームをAグループとし、各地区2位の8チームをBグループとし、各グループ8チームのトーナメント方式で行われる大会である。埼玉県からは、Aグループに西武台高校が、Bグループにはさいたま市立浦和高校が出場した。西武台高校は1回戦関東第一(東京都1位)に2対0で勝利し、準決勝は帝京三髙(山梨県1位)にPK戦の末勝利し、決勝は日大藤沢に1対3(神奈川県1位)で敗れ、準優勝という結果だった。さいたま市立浦和高校は1回戦桐生一(群馬県2位)に1対3と惜しくも敗れた。 
 西武台高校は県新人大会、関東大会県予選と2大会とも高い攻撃力をほこって優勝した。関東大会でこの攻撃力がどれほど通用するか期待をしていた。
1回戦、ポゼッションを志向する関東第一に対してラインをコンパクトに保って速いプレッシャーをかけ、いい形でボールを奪いワントップのFW⑨川田航平を経由し、両サイドのMF⑩新行内一輝、MF⑪橋本陸を基点にサイドを突破しクロスボールに合わせていく形を何度も作り出し関東第一のゴールを脅した。前半に2ゴールを奪いその後は1進1退が続いたが、DF⑤小川匠を中心に硬い守備をほこり、そのまま逃げ切り2回戦進出を決めた。2回戦、帝京三髙とのゲームは前半にフリーキックから先制されたものの自分たちの形を作り攻め続け、後半ロスタイムに追いつきPK戦をものにし決勝へ駒を進めた。決勝戦は日大藤沢相手に、終始優位にゲームを進めた。シュート数も12対5と上回ったが決定力に欠き1対3で敗退し準優勝に終わった。
 今大会の西武台を振り返ると、各県の代表相手でも前線から選手が連動してプレッシャーをかけてボールを奪い、速い攻撃からフィニッシュまで行く形を作り相手ゴールを脅かす場面が多かった。また埼玉県で負けていないという「自信」がゲームのなかで随所に表れていた。苦しい時間帯であっても落ち着いたゲーム運びをし、高い集中力と勝利に対する強い精神力を見せた。惜しくも準優勝に終わったが、チームの完成度は高く、猛暑の中でも走り切れるフィジカルやタフな精神力は大会関係者にも評価が高かった。優秀選手には3名の選手が選ばれた。FW⑨川田航平、MF⑪橋本陸は個人の力で何度も相手DFを突破した。MF⑥今井祐太朗はハードワークし、フィジカルの強さが目立っていた。他県の代表の学校と比較しても個人の局面でもグループの局面でも勝る場面も多かった。またチームの完成度も高くなってきていることが感じられる大会であった。
市立浦和高校は、1回戦桐生一と対戦した。個人の能力が高い選手が多い桐生一に終始ペースを掴まれて、市立浦和の特徴であるピッチ全体を広く使い、攻撃的なスタイルを出す場面を作り出す回数が少なかった。後半立て続けに3ゴールを奪われ、ロスタイムに1点を返したが惜しくも1対3で敗れた。自分たちの本来の力を発揮することがなかなかできなかった。
 関東大会に出場した2校については、今大会の経験を生かしチームの成熟度をさらに高めて県内で勝ち上がり、さらには全国で勝ち上がっていくことを期待して総評とする。

平成27年度 関東大会県予選 大会総評

「西武台高校、埼玉県新人大会に続き連覇」 - 関東大会埼玉県予選を振り返って

報告者:県高体連技術委員 朝霞西高等学校 山下暁之

 4月11日から25日にかけて平成27年度関東大会埼玉県予選が開催された。昨年行われた全国高校サッカー選手権大会埼玉県予選で優勝した昌平高校はプリンスリーグに所属しているため参加せずに、昌平高校以外のベスト8に残った7チーム(西武台、西武文理、市立浦和、浦和東、武南、正智深谷、成徳深谷)と1月に行われた各支部大会から勝ち上がった25チームの合計32チームで行われた。優勝は西武台高校、準優勝に市立浦和高校、3位に武南高校、成徳深谷高校という結果となった。
 優勝した西武台高校は埼玉県新人戦では大差(1回戦 6-1,2回戦 4-1,準決勝 1-0,決勝 4-1)で勝利することが多かったが、今大会は接戦のゲームが多かった。相手チームに研究され、苦しい時間帯や苦しいゲームもあったがそういった状況のなか、今大会も優勝したことはチーム全体としてのメンタリティーの強さや、新人戦で優勝したという「経験」と「自信」があったからではないか。新人戦同様、中盤で激しいプレッシャーをかけ、ボールを奪ってから素早く厚みのある攻撃は精度が高かった。トップの川田航平、両サイドの新行内一輝、橋本陸、トップ下の山口大輝の4人を中心に連動した攻撃を繰り返し、守備においてはキャプテンの小川匠を中心に1対1に強い選手が多く4試合で2失点と堅守だった。
 準優勝した市立浦和高校は、家根谷優斗を中心に、両サイドを幅広く使いクロスに多くの人数が飛び込む場面が多かった。新人戦の時よりもサイドでの人と人との関わりが増えていた。準決勝の先制点はまさにそういった形から取ったゴールだった。また高い集中力を保ち、準決勝では延長に勝ち越されながらも土壇場で追いつきPK戦を制した。決勝でも前半は押し込まれながらも後半は修正しチャンスを増やし西武台のゴールを何度も脅かした。苦しい状況になっても決して諦めず、修正して自分たちの流れに変えていくところは市立浦和高校らしかった。
 3位の武南高校は4-4-2システムで個人技の高い選手が多く、ツートップの松井優太、加藤壮磨にボールを入れながらサイドでスピードのある紺野和也、玉上雅大を起点に攻撃をしていく。個人技が高い選手が多いのでチーム全体として意図的にボールを奪う場面が増え、素早い攻撃ができていくと今後さらに相手チームに脅威を与えるチームになるだろう。  
 同じく3位の成徳深谷高校は、突出した選手はいないが全員が献身的に守備をし、数少ないチャンスを生かすサッカーで勝ち上がった。攻守の切り替えが速く、アグレッシブなサッカーを展開していた。攻撃から守備への切り替え時にファーストディフェンダーを決定するのが速く、他の選手もしっかりとしたポジションをとり、それぞれの役割を明確にして組織としての守備ができていた。攻撃に移ったときに、もう少し味方の関わりが増えてくれば、単調な攻撃ではなく、厚みのある攻撃ができゴールを奪うシーンが増えていくと感じた。
 大会全般を通して、新人大会よりも攻守において組織的なチームは多かった。しかし、「攻守一体」という観点では監督が求めるレベルまではまだ到達していないチームが多いと感じた。これから夏に向けてどんどん気温が上がっていく時期である。こうした中で勝っていくためには、いかに全体をコンパクトに保ち、より早く守備から攻撃に、攻撃から守備に移ることができるかが鍵になってくる。1試合を通じて「攻守分業」ではなく「攻守一体」のゲームが展開できることをどのチームにも期待したい。
 今回優勝した西武台、準優勝した市立浦和は5月30日から東京都で行われる関東大会に進出する。両チームとも、自分たちのチームの特徴をだし、埼玉県代表としていい結果を残すことを期待して総評とする。

県トレセンU-16 韓国強化遠征 活動報告(2014年埼玉県トレーニングセンターU-16)

報告者:監督 鈴木豊(浦和東高等学校)

選手選考の流れ

  • ①4地区対抗戦(会場:レッズハートフルフィールド駒場、埼玉工業大学)
    • 2014/7/13(日)、9/23(火)、12/14(日)
  • ②4地区対抗戦からの推薦者トレーニング(会場:レッズハートフルフィールド駒場)
    • 2014/10/28(火)、11/4(火)
  • ③韓国遠征に向けた選手選考(会場:レッズハートフルフィールド駒場)
    • 2015/1/13(火)、1/20(火)
  • ④遠征メンバートレーニング(会場:レッズハートフルフィールド駒場)
    • 2015/1/27(火)、3/10(火)
  • ⑤トレーニングマッチ(会場:レッズハートフルフィールド駒場)
    • 2015/1/27(火) vs浦和東高校U-16(20分×3) 2-0
    • 2015/3/17(火) vs県トレセンU-16(2015国体候補)(40分×2) 1-0

韓国遠征

  • ①2015/3/26(木)昌寧総合グランド
    • vs昌寧(チャンニョン)高校 2-1 得点者:早川(西武台)・中島(早大本庄)
  • ②2015/3/27(金)AM 蔚山
    • vs蔚山鶴城(ウルサンハクソンン)高校 2-6 得点者:本間(昌平)・伊藤(栗橋)
  • ③2015/3/27(金)PM 慶州
    • vs慶州FCセカンド(社会人クラブ)0-4
    • vs慶州FCセカンド(大学生) 1-3 得点者:中島(早大本庄)
  • ④2015/3/28(土)慶南工業高校
    • vs慶南(キョンナム)工業高校 2-1 得点者:篠山(本庄一)・針谷(昌平)

U-16埼玉県トレセン 韓国強化遠征 総括

 埼玉県では県内トレセン活動の集大成として年度末に韓国遠征を実施して7年目になります。地区トレセンの活性化や海外の経験を目的とし、且つ、経費負担も考慮しつつこの韓国遠征を実施してきました。
 4月より県内各地区でトレセン活動がスタートし、県トレセンも同時に立ち上げましたが、高体連に所属している選手は少なく、高体連でも早生まれが3名、その他はJユース所属選手や三菱養和、東京朝鮮の選手で構成され、国体に関しては高体連所属の1年生は1人もいませんでした。
 7月と9月、12月の地区対抗戦で各地区からの推薦を受け、1月の選考会で選抜選手を編成しました。所属チームの遠征の関係で辞退を申し出た選手は数名出ましたが、4地区のバランスも考慮し18名の選抜選手を選考しました。(後に怪我で1名辞退)トレーニング回数が限られていたこともあり、まずは選手個人の特徴を充分に発揮できるようチームコンセプトを考えました。前線はスピードがある選手が多く、積極的な仕掛けを意識させました。3人のボランチを配置し、危険なスペースを埋める、マークの受け渡しの徹底、相手DFの背後を狙うロングフィードやトップへの楔のパスなど相手の状況によって的確な判断すること意識させました。守備陣はリーダー的な存在がいないことが課題でしたが、サイドバックには積極的な攻撃、勇気をもったラインコントロールを要求しました。韓国の選手は、体格、スピード、キックの質やボールコントロールなど埼玉県の選手と比べると高いものを感じました。そこに対抗できるように、組織力と運動量で相手を上回ることを意識させました。
 今回の遠征を総括すると、選手個々では、DFでは早川榛樹(西武台)が全試合フル出場と活躍してくれました。MFではボランチの針谷岳晃(昌平)が状況に応じたパス能力に優れ、松本泰志(昌平)はボールコントロール、キックの質に優れていました。本間椋(昌平)はスキルが高く、スピードに乗ったドリブルは韓国の指導者からも高い評価を得ました。
最後に、韓国遠征実施に向けてさまざまなご協力をいただいた埼玉県サッカー協会、高体連サッカー専門部技術部、所属チーム指導者、すべての関係者に厚くお礼申し上げます。今後とも埼玉県トレセン活動にご理解、ご協力賜りますよう宜しくお願いいたします。

遠征参加選手の声

  • 選手①
    • 韓国遠征を終えてたくさんの経験とサッカーに対する考え方が変わりました。生活面ではいつも当たり前と思っていた環境がまったく異なり、食事やトイレや街中の環境などの異文化に触れることができました。サッカー面では一番大きく差を感じたのはフィジカルと勝負に対する考え方です。フィジカル面ではもっと筋トレやフィジカルトレーニングをしていかないと、どんなに技術を持っていてもそれを出す前に潰されてしまうし戦えないと感じました。そして勝負に対する考え方では、球際の激しさやゴール前での迫力は自分達にとても足りないものだと感じました。
  • 選手②
    • この韓国遠征、とても身になるものとなり、いい経験が出来て良かったです。自分が思っていたよりも相手の平均身長は大きく、体も強くて最初は動揺しましたが、慣れてくうちに自分のプレーを出せました。1日目に怪我をしてしまったことはとても残念ですが、三日目に試合に出させてもらったので、自分の満足できるプレーができたかなと思っています。
  • 選手③
    • 韓国遠征の感想は、韓国と日本の体格差が大きすぎてびっくりしました。からだ強くて荒いけど、コンタクトは強く行けたと思う。どんなフォーメーションや戦術にも対応できる技術をつける必要があると思いました。韓国遠征を通して自分には技術と左のキック力が足りないと思ったので、自チームで向上しようと思っています。自分がやるって気持ちでチームを引っ張れるような選手になりたいです。
  • 選手④
    • この1年、レベルの高い人達とやってきて、技術的にも人間的にも成長させてもらえた1年でした。集大成の韓国遠征では最初やれるかは不安だったけど自分的には手応えを感じた4日間だと思います。やっぱり最後の試合は前日惨敗し、モチベーションをあげるのも皆大変だとは思ったけど全員が勝ちにこだわり勝ち取った試合でした。体では圧倒されましたが、他の部分では負けない気持ちでやりました。皆怪我を抱えながらやっていたと思うし、気持ちの面でまた強くなれたと思います。韓国遠征では気持ちが強くなり、また出来るという自信もついた遠征でした。
  • 選手⑤
    • 今回の韓国遠征を通して色々なことを学びました。まず、サッカーでは、韓国の体の大きさスピードこれは自分達のほうが完全におとっていたと思います。でも、足元の技術は自分たちのほうが勝っていたと思います。自分達のおとっていたところを克服し、勝っていたところは高めていきたいです。サッカー面以外のことでは、たとえば、水道水でも場所によっては飲めなかったり、日本で当たり前のことが当たり前でないこと。これからは、いろんなことに感謝して生活していきたいです。ショッピングのときなどの韓国人との交流では、日本語を話せる人が多くてびっくりしました。話せない人でも互いに一生懸命に伝えようとし、韓国の人はとても親切にしてくれました。この韓国遠征では、サッカー、生活ともにたくさんのことを学ぶことができました。このような機会をつくっていただき、また体験させていただき本当にありがとうございました。
  • 選手⑥
    • 今回の韓国遠征に行って、韓国と日本の共通点や異なる点などがたくさんありました。普段の生活では味わえない経験はさせてもらいました。普段どれだけ多くの人に支えられているのかも身にしみました。この経験を自分のものにし、普段の生活やサッカーに活かしていきたいと思います。
  • 選手⑦
    • 今回の韓国遠征では、いつもとちがうチームメイトとのプレーや海外での独特な環境での試合などすばらしい経験ができて、とてもよかったです。体の大きい対手にどう対応するか、どうすれば抜けるかなどいろいろと考えることができ、日本でいかせればいいと思います。
  • 選手⑧
    • 韓国遠征で感じた事は、対人の強さや球際の厳しさ、勝利への執着心などの闘う気持ちが日本人とは違った気がしました。。最終日の試合では、全員が最後まで走りきって勝つことができました。球際も負けてなかったし、技術でも上回っていた気がします。フィジカルの強い相手でも自分たちのやりたいことができるのだなと思いました。あの試合で、成長できた気がします。
    • 全体的に韓国の人は攻守の切り替えが早かったです。自分もあれくらい走ってハードワークできるチームに欠かせない選手になっていきたいです。ありがとうございました。
  • 選手⑨
    • この遠征で印象に残った試合は3日目の試合です。みんな勝ちにこだわっていてとても気合いが入っていた。いい形で2得点とって勝ててよかったです。個人的には得点を取りたかったです。最後に韓国に行っていい環境でしかも強い相手とやれてとてもいい経験になりました。仲間とも仲良くなれてとてもよかったです。短い間でしたがありがとうございました。
  • 選手⑩
    • この韓国遠征で、韓国の食文化などにふれることができ、すごくいい経験になりました。3泊4日と短い期間だったのですが、いろいろなことを吸収できたと思います。
    • 自分が一番印象に残った試合は、2日目の試合で、その時自分は決定機を外してばかりでいいところがなかったのですが、1点を取るとこができました。この1点は自分でこじ開けた点数で自信になったので一番印象に残った試合でした。
  • 選手⑪
    • 韓国の戦ったチームのほとんどが僕たちよりも球際の強さやフリーランのスピード、攻守の切り替えの早さが明らかに上でした。特に相手のカウンターの時に相手はボールを奪ったら何人もの選手が駆け上がって人数をかけて攻撃してきているにもかかわらず、僕たちは攻から守への切り替えが遅く相手がクロスを入れてきた時に中の人数が全然間に合っていない場面が遠征中何度も見られました。実際相手のカウンターからクロスをあげられてフリーで合わせられて失点してしまいました。もっと攻から守、守から攻の切り替えのスピードをあげていかなければならないと思いました。
  • 選手⑫
    • 印象に残った試合は3日目の最後の試合です。自分は後半の途中からでました。その試合で自分は決定的な場面でゴールを決められませんでした。FWをやる上であの場面確実に決めなければ勝てません。これからの自分の課題は、守備の時のFWからのボールへのプレスの仕方と決定的な場面を決める事です。とてもいい経験ができました。
  • 選手⑬
    • 遠征のまとめとしては、慣れない環境でいつものプレーをすることの難しさ、食べ物が違う中でコンディションを調節することの大切さを学びました。そして、他国の文化に触れることで日本という国の素晴らしさを改めて実感し、いつも当たり前だと思っていたことがありがたいことだということを再認識することができました。僕はこの遠征が初めての海外遠征で3泊4日という短い間でしたが貴重な体験ができました。この遠征に参加できて本当に良かったです。ありがとうございました。 
  • 選手⑭
    • 僕はこの遠征でとても良い経験ができました。ひとつは、韓国のサッカースタイルについてです。韓国の選手は体が非常に大きくフィジカルがとても強かったです。またスピードもはやくカウンターなどの一発の攻撃で点が取れてしまうところが厄介でした。それをおさえるために、自分は攻撃はやりきることと韓国のフィジカル勝負の部分を日本の技術の部分で補うためにシンプルなプレーを心がけました。個人としては意識していたけれどできた部分できなかった部分があったのでこれからの自分の課題にしていきたいです。それが、果たしてチームでできていたのかという部分では自分がチームに伝えられなかったから反省しなくてはならないところで自分の弱いところかなと思います。自分はまだまだ力不足でチームの役にたてなかった。でもこれをそれだけで終わらせるのではなく、この経験を糧に今後の自分のサッカーにおいて見つめ直していき全国のピッチに立っていたいと思います。
    • もうひとつは、韓国の文化についてです。韓国は食事について、交通について、なにより言葉について日本とは違う部分が多くて最初はとても戸惑いました。しかし、通訳の方、ホテルの方など自分達に関わる韓国の方の協力のもと4日間を通して自分自身韓国に少しずつ慣れていきました。余裕が持ててくると簡単な韓国語や身振り手振りでコミュニケーションもとれるようになってきて、自分の成長も感じられました。また、今回の遠征が無事終えたことはスタッフや地域の方、なにより親の協力があってのことなので「感謝」の気持ちを忘れずにこれからのサッカー人生はもちろん1人の人間として、さらに成長していければと思います。
  • 選手⑮
    • 今回の遠征は、自分のチームとしても、個人としても足りていない球際の部分をテーマに4日間やろうときめていました。思った通り、大人とやっているかと思わせるくらいの体つきの選手ばかりで、セットプレーの空中戦の部分ではなかなか勝つことができませんでしたが、足下の技術、足下の球際の部分では手応えを感じるシーンもありましたし結果として2勝2敗ですが勝ち負けどちらにもすごい価値があったと感じています。今回の遠征のためにお金を出してくれた親、チームの遠征があり忙しい中指導してくれた鈴木監督に感謝し、今回得たものを糧にしてがんばります。ありがとうございました。
  • 選手⑯
    • 僕が一番印象に残った試合は、2日目の午前中の試合です。試合は完璧に負けましたが、とってもわくわくしました。韓国強いチームとやれてよかったです。その相手にもやれる部分があって自信につながりました。日本から出ていつもと全く違う環境でサッカーをするのは初めてのことでした。文化に触れることもできました。でかくて、はやい相手への対応もこれからもっと考えながらやっていこうと思います。
  • 選手⑰
    • 僕は韓国遠征をして思ったことが何個あります。一つは、向こうのプレスがすごく速いなと思いました、あの中でプレーするのはすごく難しかったです。二つ目は、ボールを失った時、攻から守への切り替えがすごく速いなと思った。あれは自分の高校でも活かしたいです。
    • この数ヶ月間ほんとに、いい経験をさせてもらいました。ほんとにありがとうございました。

平成26年度 埼玉県高等学校サッカー新人大会 大会総評

西武台高校「3年ぶり6回目の栄冠」-埼玉県新人大会を振り返って

報告者:高体連技術委員 朝霞西高等学校 山下暁之

 平成26年度埼玉県高等学校サッカー新人大会は、2月8日.11日.14日.15日の4日間をかけて行われた。今大会は、昨年行われた高校サッカー選手権埼玉県大会ベスト8のチームと、1月に行われた新人戦各支部大会から勝ち上がった8チーム(各支部2チーム)の合計16チームによるトーナメント方式で、西武台高校グランドなどの会場で行われた。結果は、西武台高校が3年ぶりの優勝、準優勝に浦和東高校、3位に市立浦和高校と昌平高校という結果となった。
 優勝した西武台高校は、4試合で15得点と攻撃力が目立った。中盤で激しいプレッシャーをかけ、ボールを奪ってから素早く厚みのある攻撃でゴールを量産した。特に前線の川田航平、新行内一輝、橋本陸の3人はスピードとテクニックを兼ね備え、個人でも打開できる選手で4試合を通じて何度もチャンスを作り上げた。守備においてはキャプテンの小川匠を中心に1対1に強い選手が多かった。チーム全体としては特に「守から攻」の切り替えが早く、手数をかけずにフィニッシュにまでいく回数も多く精度も高かった。
準優勝した浦和東高校は、大きくて強い選手よりも小柄な選手が多く、今までの走力に加え技術を駆使しながらビルドアップし、ポゼッション率を高めようとするサッカーをしていた。昨年からボランチで出場している望月海渡を経由しながらサイドに展開したり、中央を突破したりと多くの選手が関わりクリエイティブなサッカーを展開していた。
 3位の市立浦和高校は、4-2-3-1システムで、昨年から出場している家根谷優斗を中心に、ピッチ全体を広く使い、全員がひたむきに、攻撃的なスタイルを指向していた。個で突破できる相手に対してはスピード溢れる理想的なサイド攻撃が魅力ではあったが、個で打開できない際には、もう少し2人目、3人目の関わりが増え攻撃のバリエーションが増えてくると市立浦和のスローガンである「攻めて勝つ」サッカーが今まで以上に脅威をあたえることになるだろう。
 同じく3位の昌平高校は3-6-1と昨年のシステムと変更して今大会に臨んでいた。1年生が多く出場していたが、昨年と同様に一人ひとりのボールコントロールや球際の体の使い方が上手く、相手に対峙しても落ち着いたプレーをしていた。しかし、守備の際に3バックの脇のスペースを使われることが多く、守備においては新チームということで課題もあった。しかし、個々の能力が高い選手が多く来年度はプリンスリーグも経験するため、今後チーム全体としての守備の形が成熟してくれば、昨年度と同様に埼玉県でタイトルをとれるチームに仕上がってくるだろう。
 大会全般的には、新チーム最初の大会ということもあり、チーム全体として攻守の両方においてのコンセプトがはっきりと表現できているチームは少なかった。どの試合も自分たちの流れが必ずあり、その時にしっかりとゴールを決めているチームが勝ちあがってきた。そういった意味では西武台の決定力の高さは今大会は際立っていた。
 1月にU-17日本代表メンバーに招集された高橋利樹が所属している埼玉栄や、支部の予選から勝ちあがってきたチームの中で、唯一ベスト8に残った本庄第一など今後が楽しみなチームもたくさんあった。
埼玉のチームが全国で勝っていくには、攻・守においての個の戦術を理解し、個からグループ、グループからチームへと常にプレーに関わり、1試合を通して攻守が連動していく質の高いゲームを展開していくことが必要である。「攻撃はいい」・「守備はいい」という攻守を切り取った考えでは全国では勝てない。また試合の流れを察知し、自分たちが今どういうサッカーをするかを考えゲームを進めていく力も必要になってくる。課題やコンセプトは各チームによってそれぞれ違うが、どのチームも頂点を目指してゲームを意識したトレーニング行い、4月から開幕するリーグ戦や高体連の大会を通じて互いに切磋琢磨し、2015年に埼玉県代表チームが全国でタイトルをとることを期待したい。









緊急連絡用

新人戦で天候・会場の凍結など、不測の事態があった場合こちらで連絡します。

試合結果

県新人大会

  • 決勝 2/18
  • 正智深谷 1-2 昌 平

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試合結果

全国高校選手権

準々決勝 1/5(水)

  • 正智深谷 1-3 青森山田

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